※この記事は2013年当時のものでものすごく古く参考になりません。
ZBrushや3D-Coatなどを使用した方が良いです。

福岡市中央区にある博多図工室さん主催の【もくもっくあっぷナイト 第0回】に参加してまいりました。

話題のポージング人形QumarionやKinect、さらにははんだごてやフライス盤、レーザーカッターなど
子供心を持ったまま大人になることのできた男の子たちの図画工作意欲をかきたてる
数々のツールを安価で使用することのできる秘密基地的遊び場である博多図工室。
しかしどのツールをどういう風に使えば何ができるのかなかなか分からないもの。

そこで毎週木曜日の20時から図工室にあるツールをビール片手に囲みながら同好の士で使い方や
成果物の活用を模索する、そしてゆくゆくは博多図工室を活用していただくために知っていただく、
それが【もくもっくあっぷナイト】なのではないかと勝手に解釈しております。

記念すべき0回目のツールは【3Dプリンタ】でした。
出始めの頃は数千万円なんてとんでもない価格だった3Dプリンタも年月と共に大きさや出力方式を変えて
安価になってきました。
博多図工室さんに置いてある3Dプリンタは福岡市西区の株式会社ホットプロシード社製の【Blade-1】。
お値段は13万円。
昔坂井がさわった1500万のプロユース機からすれば一家に一台あってもおかしくない価格になりました。

さて、この会に参加するにあたり何かしらの出力可能なデータを持っていこうと考えました。
そこで去年作ったヒューマンモデリングど素人の私が作ったゴーカイピンクを選びました。
そこそこの曲線とモールドそしてこの部位によってまちまちなポリゴン数、
これがどのように立体物として再現されるか興味があったのも選んだ理由です。

もちろん作った当時はプリントアウトすることを想定しておりませんでしたので、今回バタバタでパーツ分けを行います。
適当にモデル上で切りやすい、かつ出力後の塗装などのしやすさを考えてパーツ分けしていきます。
また組み立時にパーツ同士がずれないようほぞ穴もあけておきます。
ゴーカイピンク接合部1 ゴーカイピンク接合部2

元々がこんな穴をあけることを考えてたわけではないので完全に後付けです。
最初は「ブーリアンですぐ穴あくやろ」程度で考えてたんですがMayaに限らずブーリアンは使い物にならんですね。
仕方ないので近くにあるポリゴンフェースをかきあつめて穴開けを行っています。
今回は図工室の営業時間の関係もありまして頭のみの出力となりましたが時間を見つけて全身やりたいですね。

さて、3Dプリンタで出力するまでの流れは大まかに以下のようになります。
・3Dデータ作成(私はMayaで作りましたが、作りたいものが作れるならなんでもいいと思います)
・スライスソフト(KISSlicer)にインポートして輪切りデータにする(輪切りスキャンするような感じです)
・輪切りデータを3Dプリンタの制御ソフト(Printrun)にインポートする
・出力

この2番目のスライスソフトにMayaのデータをエクスポートするわけですがCGばっかりやってる自分には聞きなれない
【stl】というファイル形式で書き出す必要があります。
元は3D system社ってとこが開発したCAD用のフォーマットらしいです。
色々制限があって色情報やトポロジー情報は破棄、また三角ポリゴンに変換されます。
ということはバンプマップやノーマルマップも破棄されるんでしょうね。
今後の課題として透明マップで抜いてる髪の毛みたいなモデルはどうしたらいいか考えないとですね。

試しに書きだしたstlファイルを再度Mayaに読み込ませてみました。
エンブレム部分の頂点が一点に集中してしまい意匠の穴をふさいだ形になってしまいました。
このように元データ次第では予想してなかったようなフェースの削除のされ方になっている可能性もあります。
stl_file

話を元に戻しましょう。
Mayaからこのstlファイルを書き出す場合、Mayaのインストール時にAutodesk DirectConnect
いっしょにインストールしておけばファイル→すべてエクスポート(選択項目をエクスポート)
stl形式での書き出し選択がでてきます。
stl_export

この書き出し時の注意点としては、【出力したいパーツごとに書き出す】ということです。
Maya上で複数のパーツから構成されていて出力時に1個のパーツとして出力したい場合は
上の画像にもある通り複数選択をしてからファイル→選択項目をエクスポートを行います。
その後もっていくスライスソフトでは一旦インポートしたあとに追加インポートはできません。
【まとめるとこはまとめて書き出す】ってのが重要になります。

もう一点注意点があります、それはスライスソフトの座標軸がMayaの座標軸と違うことです。
上の画像のようにマスク部分を1個のパーツとしてstlファイルに書き出したものを
スライスソフトにインポートしたのが下の画像です。
kissslicer1

このように頭が倒れた状態で読み込まれました。
このKISSlicerというスライスソフト、ソフト自体はスライスを行うのみというシンプルなソフト
(モデルの大きさは変えられるみたい)ですので読み込んだモデルを回転させたりすることはできません。
※このソフトの行うスライスとはデータ上で出力する細かさを設定するものです。
 実際のデータが分割保存されるわけではありません。

倒れたままでも出力は可能ですが3Dプリンタの仕様上、接地する部分にラフトと呼ばれる土台が作られます。
このラフトも3Dプリンタから書き出される形状の一部になりますのでモデルの方向によっては後処理が大変になります。
実際、今回はこの倒れた状態のまま書きだしましたのでそれが別の問題を生む結果になっています。
ということでMayaでのモデルの向きにもよりますが軸がY方向に90度倒れた状態になりますのでご注意ください。

最後に大きさを調整してスライス実行、.gcodeという拡張子のファイルを書き出して制御ソフトに渡します。

さあいよいよ出力です。
この部分は図工室の鈴谷さんとホットプロシードの湯前さんにやってもらったのでよくわかりません、ごめんなさい。
制御ソフトでは出力進捗やプリントアウトまでの時間などがざっくり概算でモニターされます。
出力完了までだいだい2時間かかりました。
で、出力しおわったのがこれです。
3Dプリンタ出力1 3Dプリンタ出力2

倒れた状態のまま出力しましたので顔の部分が最後に書き出された部分になります。
ノズルが動く方向を考えればなるほど、と思うのですがあまりに凹みの少ないモールドはほとんど再現されていません。
また、後頭部が土台部分になりますのでここの形状は結構ぐちゃぐちゃになっています、
手でぶちぶちーっとラフトをもぎとったのもありますが・・・。
ちゃんと頭を立てた状態だったらモールドもうまく出たかもしれませんね。
エンブレムはstlファイルの頂点の影響なのか頑張った形跡があるもののエンブレムには見えませんね。

いかがだったでしょうか。
今回はあくまでテスト、どのように3Dプリンタが出力するのかをわかっていなかったためこのような結果になりました。
念のため申し上げたいことはプリンターのポテンシャルを発揮するための最適化された形状作りと
準備をちゃんとしなかったこと。
この結果はプリンターだけのせいではない、ということです。

ざっくりわかったこととしては、
・元モデルのポリゴン数は一定以上細かくしても関係ない
・出力したモデル(立体物)のクオリティを決めるのはスライスの細かさとモデルの向き
・プリンターの解像度(目の細かさ)よりも細かいモールドは出ない

・ラフトが出来ることを想定して切り離す時にディティールを損なう部分を目立たない場所にもってくる必要がある
・元のモデルにラフトと別に土台モデリングを作っておいた方がいいかもしれない

ということです。
このあたりを踏まえて精度をあげていきたいと思います。

しかし結果はこんな形になりましたが私自身はというとかなり感動しております。
画面の中にしか存在していなかったものがこうしてさわれる物体になってるというのは
なんていうかすごい、とにかくすごいの一言です。
出力直後は言葉が出ませんでした。

久しぶりに長いエントリーになりました。
ご清聴ありがとうございました。
また今回こんな趣味なものを出力していただいた博多図工室さんとホットプロシードさんにお礼を申し上げます。
お金があったら上位機の25ミクロンの精度も試してみたいんですけどね・・・(苦笑)


Trackback

only 1 comment untill now

  1. […] 前回のエントリーで初めて3Dプリンタを使ってみたわけですが、 プリンタ側(スライスソフトも含む)での設定、取り回しこそがクオリティアップへの近道と申し上げました。 では3Dソフトでの制作、特にモデリング側ではなにもしなくていいのか。 もちろんその辺を行っておくと出力後のパーツの扱いも楽になります。 いわゆる【一発成形】みたいに手も足も顔も、車みたいな工業製品ならタイヤ、ボディなどをまとめて 出力すれば一気に出力できパーツ数も少なくて済むわけですが後が大変です。 […]

Add your comment now