またまたご無沙汰しております。

7月20日発売の花とゆめ16号」に集中連載中のsora先生作【墜落JKと廃人教師】にて
一部の背景を制作させていただきました。

数ページ、数コマにわたって描かれてるこの駅を3DCGにて制作しております。
漫画もコミカルな作品で登場する主人公は少し陰があるけど可愛い、廃人教師にいたっては
なんだかすごく親近感がわく性格で他人じゃない気がしました。
よろしければお手に取ってお読みいただければ携わった私も嬉しいです。

さて、昨今3DCGが活用される舞台は様々な広がりを見せているわけですが、
今回は漫画の紙面でございます。
すでに漫画で3DCGを活用されてる漫画家の先生方は結構いらっしゃると思うのですが
坂井はもちろん初めての経験でしたのでトライ&エラーにてノウハウを得ていくこととなります。
自分だけで仕事が完結しませんので納品先である漫画家の先生にストレスが無いようなモデルを目指します。
もちろん漫画家によってディテール重視なのか雰囲気さえあればいいのか違いはあると思います。
それによって作り方、作りこみの度合いは大きく変わってくると思いますが今回は、
●受け渡し側ソフト(今回はCLIP STUDIO PAINT EX)で出来るだけサクサク動かせるように。
●手描きでの加筆を前提として雰囲気重視
つまり総じて「軽く」、これを重点的な目標として設定しました。

で、こちらが制作した駅全体のモデルです。

駅とわかるポイント(架線や行先表示板、キオスクなど)を配置しつつ
「特定の○○駅」にならないようにしてます。
今回は私の自宅から近い駅と東京の山手線の駅などを混ぜこぜにしております。
寸法は目分量です、加筆前提なのでざっくり駅とわかる最低限のオブジェクトとディテールに収めています。
例えば、レールの下に敷かれてる石などはトーンなり手描きなりに任せて一切作っていません。
この辺は漫画家の先生とのすり合わせが重要になってくると思います。

で、ここからさらに軽くしていきます。
ここはできれば漫画家の先生のネーム(それもある程度物体の方向やアングルがはっきりしてるモノ)
があるとベストです。
全体を作り終えたら各コマで使用するアングルを設定、カメラから見えないポリゴンを消していきます。
作る前にアングルが判明していれば先に消しておいてから複製していけば作業が楽です。
 
これは柱や梁に使われるH鋼ですが、カメラから見えないポリゴンはすべて消して作られています。
右のようないわゆるバカ正直な作り方を一切排除しています。
ポリゴンを1枚消したところで高々数キロバイトですが巨大構造物ですと何十メガバイトの節約になります。
明らかに見えないところを消す、厚みが必要ない部分は片面のみで作る、これが最後に効いてきます。
曲線は直線よりもちょっと頭使いますが、基本は一緒です。

それと今回は割愛しますが、駅の波型の屋根のようにカメラから遠ざかるにしたがって
モアレが発生しやすくなるものもそうならない作り方をしています。
てことでクリスタ側でのコンバートは漫画家の先生の作業になりますがこんな感じになると思います。

これは途中経過のSSなのでモアレと潰れが出てますけどね・・・
以上となります、ご清聴ありがとうございました。


ご無沙汰しております。

タイトルにあります【響け!ユーフォニアムの主人公、黄前久美子さんをモデリング】ですが、
いよいよ今回でホントのラストとなります。
途中、仕事が忙しいのはもちろんですが、その他にアニメの【魔法少女まどか☆マギカ】
ほむらをモデリングしたり、【Re:ゼロから始める異世界生活】レムをモデリングしたりしてたりして
ずっとほったらかしでしたがアニメの二期が始まったタイミングで再開した次第です。
また、これまでの技術向上のために作ってきたもののまとめページも書いておりますので
よろしければ見てあげてください。

後述しますがホントはまだまだブラッシュアップできる部分はいっぱいあるのですがキリがないのと
お仕事が優先ということもありまして終了させることにしました。

で、前置きが長くなりましたのでまずは完成画像です。
黄前久美子さん完成画像

やっと、という感じです。
当初は久美子だけのモデリングで可能なら出力したいな、っていうことだったのですが
実は後ろの背景部分も作るつもりでいました。
理由なのですがすごく下世話な話ですいません、「フィギュアになった時、パンツを見られたくなかった」んです。
これをジオラマ的に作って久美子本体を囲むことで【その角度からは絶対に見えない状態】を作りたかった訳です。

もちろんWFなどに出すための許諾は京アニさんだからおそらく下りないだろうと思い申請は考えいませんでしたし
出力したとしても量産しないわけですから作った私以外は下着部分を見られないわけですが、
実のところ自分自身あまり見たくないわけです。
アニメ本編において下着が見えるショットは皆無です。
たとえカメラアングル的に間違いなく見えるだろう箇所でも物理現象に反してまでスカートが曲がりそれを隠します。
このアニメに別に高尚な考えなど持ち込むつもりはないのですが、少なくとも物語は
「吹奏楽に一生懸命に打ち込む高校生の青春、群像劇」だと思ってます。
そこにエロはいらないわけです、いらないどころかあってはならないのです。
物理現象に反してまで見せない理由はそういうことだと私自身は解釈し、また当然だろうと思った次第です。

とはいえ立体物として作ってしまうとそうはいきません。
スカート内部を暗黒空間で埋めてしまうというのも一つの手法ですがそれでは逆にリアルではありません。
で、いろいろ考えた結果が「背景で囲む」ことでした。
別に元絵を限りなく再現しようなどは考えてないという、くだらない理由であったというオチでした(笑
毎度話が長くなってすいません。
実際のモデリングの内容を書きます。

久美子自体は相変わらずあまり変わった感じがしませんが、前述の通り、元絵の再現が目的ではなかったにせよ
やっぱりなるだけ近づけたいものです。
【姿勢に無理なく、デフォルメもできるだけ加えず】てことで前回のものから大幅に作り直しております。
主に足の角度と長さ、スカート、両腕とユーフォの関係、それと髪の毛の分け目などです。
黄前久美子さん後ろ姿2 黄前久美子さん足
足は引き続きZbrushで修正、左右で若干長さが異なってしまいましたが
足首やつま先などは思ってる感じに近づいたのではないかと思います。
両腕も再度リファレンスを撮って無理な曲げ方じゃないかどうかを検証しながら調整してます。
袖の部分とスカートはポリゴンで作り直しています。
黄前久美子さん後ろ姿

その他背景部分のモデルたち(一部)です。
トロフィー トロフィーアップ
ユーフォケース ユーフォケース

ついでにヤマハのバルブオイルも作ってみました。
ヤマハ バルブオイル

で、最後に全景です。
ジオラマ目的でしたので元絵の画角に入らない部分も作ろうと思ってましたが
背景モデルを作り始めてちょっとさすがに無謀かなと思いやめました。
分割は行っておりませんが、すべてのモデルはこのまま出力可能なものに仕上げております。

全景

以上となります。
納得のいくところまでやりたかったのですがそれやってると本気で無職になりかねないのでこの辺りで潮時とします。
これを作ろうと思ったくらい響け!ユーフォニアムというアニメは面白かったです。
あすか先輩の言葉じゃないですが、ずっと見ていたいアニメですね。
ご清聴ありがとうございました。

170613追記
で、仕事落ち着いてユーフォ2期見てを作り始めました。
次のは完成するかどうか正直わかんないです…。


元々、映像の仕事で部品的に使ってた3DCGなわけですが、だからこそあまり作りこんだり
それ自体が主役になるようなものはあまり作ってきませんでした。

物を作る行為は好きだったのですが、画面の中にだけあって直接さわることのできない、
カメラアングル変えるのにも一苦労、そんな3DCGツールが正直好きではなかったのだと思います。
とは言っても逃げてばっかてのもなんですよね。
そんなかんだで始めた
「直接仕事にはつながらなくてもそこそこできるようになるための勉強モデリング」
「どうせ作るなら好きなもの作ってイヤイヤな勉強にならないようにしよう」
という目標で始めたモデリングもちょこちょこ数が増えてきましたのでちょっと振り返ってみます。

ALL Model 2007-2016
左から、
・2007年 MMORPGグラナドエスパダよりマスケッティア
この頃はまだ結婚しておりませんで夜な夜なネトゲをやってました。
Shadeを使った最後の、そしてMayaを使った最初のモデルになります。

・2012年 海賊戦隊ゴーカイジャーよりゴーカイピンク
息子が楽しんで見てたのを親が見たら過去のゴレンジャーなどの戦隊が出てきてドはまりしました。
Mayaだけで作った初めての人型モデルです。

・2013年 獣電戦隊キョウリュウジャーよりキョウリュウピンク
息子はそろそろ戦隊モノ卒業かな?って頃にまだ父親はドはまりしてました。
ゴーカイピンクで流用できるとこはしようと思ってたらあまりの作りのひどさに
結局最初からモデリングしました。

・2013年 Nintend WiiUソフト  ワンダフル101よりユナイトロケット
戦隊ものを卒業した息子は本腰をいれてゲームにはまってまいります。
その頃つくったものでMetasequoiaの練習を兼ねてます。

・2014年 Nintendo 3DSソフト 妖怪ウォッチより銀のこけし
皆さんご存知妖怪ウォッチ、同作ゲーム中に出てくるアイテムです。
親子で楽しく遊ばせてもらいました。
MODOの練習で作りました。

・2015年 TVアニメ 響け!ユーフォニアムより黄前久美子
生徒さんから「これは面白いですよ」って言われて見たら見事にハマりました。
ひさっしぶりにアニメにはまってBD買って製作スタッフさんのサインまでもらうというはまりっぷりでした。
アニメキャラというどの方向から見ても破たんのない見え方ってのに苦労しました。
ZBrushを使った初めてのモデルになります。

・2016年 TVアニメ 魔法少女まどか☆マギカより暁美ほむら
やっぱり生徒さんからの薦めで見始めたアニメのキャラクターです。おもしろいっすよ。
作り始めてから案件が連続で入ってきたので作りかけでほったらかしになってます。

・2016年 TVアニメ Re:ゼロから始める異世界生活よりレム
なんとなく見始めたノーチェックの作品だったのですがこれがかなり面白かったです。
アニメキャラのモデリングもこれで3作目で少しは流れがわかってきたかな?って実感してたりします。

長くなってしまいました。ごめんなさい。またこれからも精進してまいります。
以上となります。


レムさんのその後です。
結局今回は時間の都合やらポリゴンモデリングのあーでもないこーでもないで
作業続けた結果、ほとんどをMayaだけで終わることになりました。

まずはレムさん本体のモデリングを終了させました。
リゼロ レム 全身

この時点では各パーツの厚みは設けていません。
細かいシワはMudboxとQuixelで描いたものをnormal mapしてます。

次は彼女が騎乗する地竜なる生き物のモデリングです。
正直なとこ生き物全般(人間型以外)作ったことがなく今回が初めてです。
リゼロ 地竜

アニメを見てる限り、一番近いのは小型の肉食恐竜でしょうか。
この辺りをベースに爬虫類と鳥類をリファレンスとして形を作っていきました。
とはいえレムさん自体を作るのが目的だったのでかなり適当な作り方をしてます。
あ、あと昔ツクダホビーから出てたナウシカのプラモも参考にしてます。

最後にレムさんと地竜それぞれの大きさを合わせてポージングです。
レムさんはTSM2、地竜はHumanIKを使用してます。
アニメ劇中の地竜と人間の対比はシーンごとにかなり違っててこの辺り苦労しました。
最終的には、【二人乗りできるくらいの大きさ】というのを指標にしてます。
ただあくまで指標であって劇中後ろに乗ってる主人公は作っておりません。
一人乗りでレムさんのスカートが風でぶわってなってるのが作りたかったんですよね。
rem_b_03

ポージング後はさらに細かい手綱やら、あと劇中では探しきれなかった鐙(あぶみ)などを作ってます。
鐙が発明されたことで騎乗による近接武器の使用がかなり楽になったと聞きます。
この世界の時代設定が現実の中世時代な感じでした。
現実のこの時代にはすでに鐙は存在してましたのでそれにならってます。

てことで色々ありましたがはしょって完成です。
リゼロ 騎乗レム

リゼロ 騎乗レム

リゼロ 騎乗レム 

こんな土台も作ってみたんですが出力の予定はもちろんなさげです。
どなたが有償でパーツ分けしてくれませんか?(笑
rem_b_04


ご無沙汰しております。
前回のポストの後、大きめのお仕事が複数入ってきまして更新できませんでした。
タイトルの黄前久美子さんのモデリングももちろん進まず。。。
3Dプリントどころかデジタル原型の完成すらしておりません。

が、載せてなかった画像などありましたのでここにまとめておきます。
別にワンフェスなどに出品することもないと思いますし(版権がおりないだろうから)
だらだら作っても構わないのですが二期や劇場版の公開も決まった事ですので
次回作が始まるまでにはなんとか・・・とは考えております。

前回の顔修正時のものです。
まだポリゴンです。
既存のフィギュアを見た際に「これはあった方がいいよなぁ」っていう以下の部分をいれてます。
・鼻の下の溝(人中)に伴う上唇の谷間 ※人中自体は作っていません
・まつ毛とまゆ毛を形状として作っている ※出力する際に出る出ないは置いといて
・眉間近くのまぶたの凹みをライン溝としてではなくゆるやかに凹ませている
・下まぶたの涙袋のふくらみをほんの軽くいれている

黄前久美子さん顔修正

下半身です。
この後、左脚が曲がり過ぎてる感じがあったので作り直ししました。
黄前久美子さん脚

制服上半身です。
Zbrushにて作業中のものです。
セーラー服の襟ってどんな感じでパーツ分けしたらいいかわからないです。
黄前久美子さん制服

脚とスカートのシワなどを見てます。
黄前久美子さん脚2

前述の脚の曲がり具合の修正とあんまり変わってませんが全体的なポーズの見なおしをしてます。
元絵は若干の俯瞰状態だったので気付きませんでした。
ある程度ポーズをつけたとこでおかしいとこがいっぱい見つかりました。
その中で一番直したのは、
・左肩は右よりも下がっている(左側、カメラ側に傾いてる)
・首は逆に右側に傾いてる
つまりはカメラ側に向かって「ふふん、どやぁ」っていうなんて言うんでしょ、「いちべつ」的なポーズを取ってるみたいでした。
ここを直す事で背中の傾きやらお尻の接地面の位置やらすべて変わってしまったのですが
画像を見る限りあんま変わったように見えないですね。。。

その他、ユーフォの大きさ、手足の長さなどを変更しております。
黄前久美子さんポーズ修正

髪の毛が整ってきたかな、と思ったのでここらでレンダリングしてみました。
黄前久美子さんバストアップ

いまのとこ以上となります。

161206追記しました。


5月の17(日)と31(日)の2日間、福岡市舞鶴あたりにありますヨカラボさんにて
Sculptrisの初心者向け講座を主催ヨカラボさん、講師坂井で行わせていただくことになりました。

今回の講座ですが無料で使えるSculptrisを使用して最終的に完成したモデルを
ヨカラボさんに常設している3DプリンタAFINIAで出力して後日お渡しする、という流れになっています。
開催日までまだ時間はありますのでお近くの方はぜひご検討されてみてはいかがでしょうか。

Sculptrisの使用感ですが良くも悪くも無料ソフトです。
マスクやブラシ(ZBrushで言うところのAlpha)も用意されてますのでじっくり時間さえかければ
そこそこ精密なモデルも作れると思います。
反面、SubToolやCurve Modeみたいなものはもちろん未搭載なので
ハードサーフェス的なエッジの効いたモデルを目的にするとほんっとに時間かかると思います。

ともあれ無料なので導入は簡単です。
あくまでスカルプトの最初のとっかかりで使用して面白そう、またさらに高度な事や
かゆい所に手が届くような機能を望まれるようなら
ZBrushやMudboxに移行するのが良いのではないかと思います。

さて、今回の講座で受講者の皆さまに制作していただくのはイラストレーターの谷口亮氏のフテネコです。
フテネコ
かわいいです。
しかしこれをSculptrisで作ろうとした時、おへそや眉間のモールド、目の輪郭がすさまじい難易度で迫ってきます。
Sculptrisに限らずスカルプトモデラーで難しいのは滑らかなカーブや曲面、
エッジの立った細かいスジボリをいかに出すか、だと思います。
この辺Sculptrisに搭載されてるマスクやブラシでなんとか達成していきたいところです。
あんま自信ありませんが。

で、下の画像はこのフテネコをポリゴンで作ったものです。
こういった単純な形状のキャラクターは本来はポリゴンで作るのがやりやすいんじゃないかと思ったのと
Sculptrisでこれくらい深くエッジが立ったモールドが出来ないものか検討するために作ってみました。
フテネコMaya

一長一短ですよね。
なんの知識もなくいきなり削ったり盛ったりできるスカルプトモデラー。
メッシュの頂点や面の管理が難しくて初心者がつまづいてしまいがちなポリゴンモデラー。
で、どちらも適当に作るとそれなりってのは同じ。
受講者の方々が良い感じで目標とする形になるよう色んな方向から模索したいと思います。
なかなか悩みは尽きそうにありません。


深夜の更新です。

今回のゴーカイジャーのモデルでは関係なかったのですが
考え始めたら気になったのと、おそらくいずれぶち当たるだろうなーという
問題があったのでそちらの検証を行っておりました。

・髪の毛など塊状の形状に透明度マップを施したデータはどうするのか。
・バンプマップはどうするのか。

両者ともテクスチャによって髪の毛っぽく、また凹んだように見せている手法です。
3Dプリンタで扱うstlファイルはこれら色情報のデータを持っていけませんので
モデリングの形状がモロに出てきます。

面倒なやり方になりますがこれならいけるかなって回避策が分かったので
そのうち【プリントアウトするためのパーツ分け番外編】みたいな
エントリー作って書こうかと思います。

さて、本題です。
一応今回でパーツ分けのエントリーは最終回の予定です。
いよいよプリントアウトするためのパーツ分けが完了しました。
パーツ分けと同時進行で一部形状も変更しています。

まずは前回のリベンジ、マスク部分。
ゴーカイピンクマスク
前回分かった事として座標軸がY方向に90度倒れた状態になっていましたので
これをMaya上で-90度に倒した状態でstlに書き出ししました。
画像の通りちゃんと立った状態になっています。
また前回、モールドなんかがちゃんと凹んでいなかったので
マスクの前面のバイザーとでもいうんでしょうか、
この部分をもう少しオーバーに凹ませています。

ボディ本体部です。
ゴーカイピンク上半身 ゴーカイピンク下半身
腰の部分で上下に分割しています。
スカートの中は空洞になってますので前と後ろにさらに分割しようと思いましたが
めんどくさくなったのでこのまま書き出しています。

バックルです。
ゴーカイピンクバックル
ベルトの部分はボディ側と一体にしましたのでバックルのみです。
表面にはレンジャーキーのシルエットがモールドされていますがマッピングで
表現していましたのでツルツルの状態での書き出しです。

ゴーカイジャーのエンブレムです。
ゴーカイジャーマーク
マスクにも同じものが付いていますが前回の出力の失敗がありましたので
念のため別体でも用意しました。
細かいパーツですので土台を作ってそれに埋まるように作っています。
出力後は土台部分を切り取ってマスクに装着後さらに薄く削る予定にしています。

左腕です。
ゴーカイピンク腕
他の右腕や脚部も同じように寝かせた状態にしています。
無いとは思いますが出力中に重さでゆがまないようにと考えてこうしました。

ブーツです。
ゴーカイピンクブーツ
これも腕とかと同じように寝かせようかと考えましたが足首のあたりのシワが
ラフトによってつぶれるのがいやだなぁと思い立てています。
腕のように寝かせた方が良かったのかブーツのように立たせた方が良かったのか、
その辺は出力後に判明すると思います。
本来の形状はノーマルマップでシワを作っていたのですがstlに書き出すと
色情報は破棄されますのでノーマルマップ作成時のハイポリゴンデータを出力しています。

今回一番心配してる部分、手です。
ゴーカイピンク手
本当は親指を含めた手のひらと残りの指4本をバラバラにした方がいいのかも、
とか思ったのですがまずは一体で出してみたいと思います。
指の開き方にもよるんでしょうが、この手の場合はおそらく
薬指と小指がくっついた状態になるかもしれません。

以上となります。
では木曜日にリベンジしてまいります。
次回は成功した成果物が見せられる(鴨)


前回のエントリーからの続きです。

ゴーカイピンク ガレージキット

・出力のしやすさ
・出力後の塗装、組み立てのしやすさ

この二点を考えてのパーツ分けを考え上の画像のような分け方になりました。
注)上の画像は出力後の想像です。
しかし一番目の【出力のしやすさ】、これがなんとも悩みの種です。
blade1

出力されてるのをじっくり見てたわけではないのですが、今回使用したBlade-1
フレームの形状を見る限り図にあるような溶解ヘッドと成形テーブルを
矢印方向に動かしながら出力していくようです。
違ってたらごめんなさい。

溶解ヘッドから出てきた溶けたABS樹脂(またPLA)は糸のように吐き出されながら
ヘッドとテーブルの動きによってらせん状に積層されていきます。
こんなイメージでしょうか。

このGIFアニメでは中が中空になってますが出力時には中に網の目状の補強みたいなもいっしょに出力されます。
たとえば下のような形状。
test_model
この立方体の切り込み部分をモールドと見立た時、寝かせた状態がいいのか切り込みを上に向けた方がいいのか、
またヘッドとテーブルの動きや射出された樹脂が重力で下にたわむことを考えると
どっちの方がいいのかがなーんとなくではありますが分かってきます。

では次回に続きます。


前回のエントリーで初めて3Dプリンタを使ってみたわけですが、
プリンタ側(スライスソフトも含む)での設定、取り回しこそがクオリティアップへの近道と申し上げました。
では3Dソフトでの制作、特にモデリング側ではなにもしなくていいのか。
もちろんその辺を行っておくと出力後のパーツの扱いも楽になります。
いわゆる【一発成形】みたいに手も足も顔も、車みたいな工業製品ならタイヤ、ボディなどをまとめて
出力すれば一気に出力できパーツ数も少なくて済むわけですが後が大変です。

前回使用した3Dプリンタに限らず出力後に表面処理をなにもしなくていいというプリンタはほとんどありません。
そういった出力後の表面処理やさらにその先の塗装をスムーズに行うためにもパーツ分けは欠かせません。
今回からのエントリーは数回に分けてこのパーツ分けの部分を検証していきたいと思います。

さて、自分のように最初は立体化する事なんて考えずにモデリングを行って完成した後で
「立体化してみたくなった」と思う方も多いのではないかと思います。
当然、3Dプリンタで出力するに適したパーツ分けを行ってるわけもなく【どこで切ればいいのか】と悩む訳です。

下の画像は前回プリントアウトに使おうとしてたゴーカイピンクの脚の部分になります。
出力時は右にあるような片側の脚全体で出力するつもりでいました。
ゴーカイピンク脚部

出力を考えてなかった制作当時はこの画像の股の部分にあるような【ほぞ】は作ってなかっただけで
パーツとしては片足脚部、ブーツ上部のパーツ、ブーツ本体、というパーツ構成でした。
ブーツと脚部は画像にあるようにお互いがめり込んだ状態で制作されていました。
「まぁ見えないとこは別にどうでもいいよね」っていう私の性格がよくでています。

ということで前回、マスク部分だけの出力を行った時に色々と問題が出てきました。
この問題によって当初片脚ずつで出力しようと思ってたこのパーツはさらに細かくする必要があると思ったわけです。
具体的には脚部のみとブーツのみの二つに分ける方がいいかなという結論にいたりました。
ブーツ上部パーツの凹んだ部分と脚部パーツの接合部分にほぞを作ることにします。
しかし前回のエントリーでも書いてました通り、ブーリアンは使えませんでしたので気持ち面倒な作業になります。
AutodeskのMayaユーザーガイド【ブーリアンを使用してポリゴン メッシュを統合する】
ブーリアンに関するトラブルシューティングが書いていますがとにかくやっちゃダメな項目が多すぎます。
これをクリアできるだけのスキル持った人なら最初からブーリアンなんて使わないってば、という気持ちになりました。

下の画像が接合部付近のアップです。
今回はめり込んでる脚部の断面にほぞを作成、それを複製してブーツ側のほぞにしたいと思います。
ゴーカイピンク脚部2

やり方はいたって簡単です。
まずはブーツ側と脚部側との境界面にエッジを作ります。
めり込んだ脚部のはしっこを色んな方向から見ながらいい感じに境界をさがしてみてください、適当でいいです。
NURBSならトリムツールがあるのですがそゆの欲しいですね。

私の作成した脚部断面は面がなく穴が開いた状態だったのでここを塞ぎます。
塞いだフェースを選んで押し出しを数回実行、脚部側のほぞをメス型にしました。
この一連の流れで出来た断面部分を【フェースの複製】で複製と分離をしてブーツ側に当て込んでるだけです。
もちろん実際に挿入される形状になりますからオスの方を若干小さくしております。
ゴーカイピンク脚部断面

 

前回のエントリーでも書きましたが、3Dプリンタ側(ソフト含む)からすれば出力対象のパーツが複数オブジェクトから成り立ってる
というのは大きな問題ではないようです、結合もグループ化も必要ありません。
ということでいかがだったでしょうか。
適当に作ったモデルはあとからこういうところで面倒になるパターンが多いようですが、それすら適当に乗り越えようという試みです。

 

 


※この記事は2013年当時のものでものすごく古く参考になりません。
ZBrushや3D-Coatなどを使用した方が良いです。

福岡市中央区にある博多図工室さん主催の【もくもっくあっぷナイト 第0回】に参加してまいりました。

話題のポージング人形QumarionやKinect、さらにははんだごてやフライス盤、レーザーカッターなど
子供心を持ったまま大人になることのできた男の子たちの図画工作意欲をかきたてる
数々のツールを安価で使用することのできる秘密基地的遊び場である博多図工室。
しかしどのツールをどういう風に使えば何ができるのかなかなか分からないもの。

そこで毎週木曜日の20時から図工室にあるツールをビール片手に囲みながら同好の士で使い方や
成果物の活用を模索する、そしてゆくゆくは博多図工室を活用していただくために知っていただく、
それが【もくもっくあっぷナイト】なのではないかと勝手に解釈しております。

記念すべき0回目のツールは【3Dプリンタ】でした。
出始めの頃は数千万円なんてとんでもない価格だった3Dプリンタも年月と共に大きさや出力方式を変えて
安価になってきました。
博多図工室さんに置いてある3Dプリンタは福岡市西区の株式会社ホットプロシード社製の【Blade-1】。
お値段は13万円。
昔坂井がさわった1500万のプロユース機からすれば一家に一台あってもおかしくない価格になりました。

さて、この会に参加するにあたり何かしらの出力可能なデータを持っていこうと考えました。
そこで去年作ったヒューマンモデリングど素人の私が作ったゴーカイピンクを選びました。
そこそこの曲線とモールドそしてこの部位によってまちまちなポリゴン数、
これがどのように立体物として再現されるか興味があったのも選んだ理由です。

もちろん作った当時はプリントアウトすることを想定しておりませんでしたので、今回バタバタでパーツ分けを行います。
適当にモデル上で切りやすい、かつ出力後の塗装などのしやすさを考えてパーツ分けしていきます。
また組み立時にパーツ同士がずれないようほぞ穴もあけておきます。
ゴーカイピンク接合部1 ゴーカイピンク接合部2

元々がこんな穴をあけることを考えてたわけではないので完全に後付けです。
最初は「ブーリアンですぐ穴あくやろ」程度で考えてたんですがMayaに限らずブーリアンは使い物にならんですね。
仕方ないので近くにあるポリゴンフェースをかきあつめて穴開けを行っています。
今回は図工室の営業時間の関係もありまして頭のみの出力となりましたが時間を見つけて全身やりたいですね。

さて、3Dプリンタで出力するまでの流れは大まかに以下のようになります。
・3Dデータ作成(私はMayaで作りましたが、作りたいものが作れるならなんでもいいと思います)
・スライスソフト(KISSlicer)にインポートして輪切りデータにする(輪切りスキャンするような感じです)
・輪切りデータを3Dプリンタの制御ソフト(Printrun)にインポートする
・出力

この2番目のスライスソフトにMayaのデータをエクスポートするわけですがCGばっかりやってる自分には聞きなれない
【stl】というファイル形式で書き出す必要があります。
元は3D system社ってとこが開発したCAD用のフォーマットらしいです。
色々制限があって色情報やトポロジー情報は破棄、また三角ポリゴンに変換されます。
ということはバンプマップやノーマルマップも破棄されるんでしょうね。
今後の課題として透明マップで抜いてる髪の毛みたいなモデルはどうしたらいいか考えないとですね。

試しに書きだしたstlファイルを再度Mayaに読み込ませてみました。
エンブレム部分の頂点が一点に集中してしまい意匠の穴をふさいだ形になってしまいました。
このように元データ次第では予想してなかったようなフェースの削除のされ方になっている可能性もあります。
stl_file

話を元に戻しましょう。
Mayaからこのstlファイルを書き出す場合、Mayaのインストール時にAutodesk DirectConnect
いっしょにインストールしておけばファイル→すべてエクスポート(選択項目をエクスポート)
stl形式での書き出し選択がでてきます。
stl_export

この書き出し時の注意点としては、【出力したいパーツごとに書き出す】ということです。
Maya上で複数のパーツから構成されていて出力時に1個のパーツとして出力したい場合は
上の画像にもある通り複数選択をしてからファイル→選択項目をエクスポートを行います。
その後もっていくスライスソフトでは一旦インポートしたあとに追加インポートはできません。
【まとめるとこはまとめて書き出す】ってのが重要になります。

もう一点注意点があります、それはスライスソフトの座標軸がMayaの座標軸と違うことです。
上の画像のようにマスク部分を1個のパーツとしてstlファイルに書き出したものを
スライスソフトにインポートしたのが下の画像です。
kissslicer1

このように頭が倒れた状態で読み込まれました。
このKISSlicerというスライスソフト、ソフト自体はスライスを行うのみというシンプルなソフト
(モデルの大きさは変えられるみたい)ですので読み込んだモデルを回転させたりすることはできません。
※このソフトの行うスライスとはデータ上で出力する細かさを設定するものです。
 実際のデータが分割保存されるわけではありません。

倒れたままでも出力は可能ですが3Dプリンタの仕様上、接地する部分にラフトと呼ばれる土台が作られます。
このラフトも3Dプリンタから書き出される形状の一部になりますのでモデルの方向によっては後処理が大変になります。
実際、今回はこの倒れた状態のまま書きだしましたのでそれが別の問題を生む結果になっています。
ということでMayaでのモデルの向きにもよりますが軸がY方向に90度倒れた状態になりますのでご注意ください。

最後に大きさを調整してスライス実行、.gcodeという拡張子のファイルを書き出して制御ソフトに渡します。

さあいよいよ出力です。
この部分は図工室の鈴谷さんとホットプロシードの湯前さんにやってもらったのでよくわかりません、ごめんなさい。
制御ソフトでは出力進捗やプリントアウトまでの時間などがざっくり概算でモニターされます。
出力完了までだいだい2時間かかりました。
で、出力しおわったのがこれです。
3Dプリンタ出力1 3Dプリンタ出力2

倒れた状態のまま出力しましたので顔の部分が最後に書き出された部分になります。
ノズルが動く方向を考えればなるほど、と思うのですがあまりに凹みの少ないモールドはほとんど再現されていません。
また、後頭部が土台部分になりますのでここの形状は結構ぐちゃぐちゃになっています、
手でぶちぶちーっとラフトをもぎとったのもありますが・・・。
ちゃんと頭を立てた状態だったらモールドもうまく出たかもしれませんね。
エンブレムはstlファイルの頂点の影響なのか頑張った形跡があるもののエンブレムには見えませんね。

いかがだったでしょうか。
今回はあくまでテスト、どのように3Dプリンタが出力するのかをわかっていなかったためこのような結果になりました。
念のため申し上げたいことはプリンターのポテンシャルを発揮するための最適化された形状作りと
準備をちゃんとしなかったこと。
この結果はプリンターだけのせいではない、ということです。

ざっくりわかったこととしては、
・元モデルのポリゴン数は一定以上細かくしても関係ない
・出力したモデル(立体物)のクオリティを決めるのはスライスの細かさとモデルの向き
・プリンターの解像度(目の細かさ)よりも細かいモールドは出ない

・ラフトが出来ることを想定して切り離す時にディティールを損なう部分を目立たない場所にもってくる必要がある
・元のモデルにラフトと別に土台モデリングを作っておいた方がいいかもしれない

ということです。
このあたりを踏まえて精度をあげていきたいと思います。

しかし結果はこんな形になりましたが私自身はというとかなり感動しております。
画面の中にしか存在していなかったものがこうしてさわれる物体になってるというのは
なんていうかすごい、とにかくすごいの一言です。
出力直後は言葉が出ませんでした。

久しぶりに長いエントリーになりました。
ご清聴ありがとうございました。
また今回こんな趣味なものを出力していただいた博多図工室さんとホットプロシードさんにお礼を申し上げます。
お金があったら上位機の25ミクロンの精度も試してみたいんですけどね・・・(苦笑)